昨2004年、醸造所は大きな転機を迎えた。6月にケラーマイスターがアルフォンス・ハインリヒ氏から、若手のシュテ
ファン・クラムル氏に交代したのである。
「アルフォンスは私が生まれた三ヵ月後に祖母に採用されたからね。彼の権威には誰も逆らえなかった。」
シューベルト氏はそう振り返る。
若手ケラーマイスターの新たな理念と情熱は、2004年産のワインに如実に現れていた。ゆっくりと熟した生産年の特
徴を示すしなやかな酸味が、奥行きのある濃厚な果実味を引き締め、シルキーな舌触りのボディが流れたあとには 完熟した柑橘香が口蓋に綺麗な広がりのある余韻を残す。見事な出来栄えだ。それを試飲した後に2003年に戻る と、確かにアプリコットやミネラルのヒントがあるたっぷりとした口当たりで充分に楽しめ、畑のポテンシャルと個性は 感じられるものの、酸が低めの2003年という生産年の特徴を考慮しても、いまひとつ緻密さに欠ける感が拭えない。
試飲メモ
(2005年3月)
醸造所HP:www.vonschubert.com
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